【野球】【バッティングの基礎】4大原則その4 センターにかっ飛ばす(+ドアスイング改善講座)

バッティング

バッティングの基礎シリーズのラストです。よく「センター返しが基本」といいますが、僕は練習においても試合においても「センターオーバーを目指して打つのが基本」だと思っています。その理由は、「遠くへ飛ばすこと」が、①スイング速度、②タイミングのものさしに、加えて「センター返し」が③スイング軌道のものさしになるからです。1つずつ見ていきましょう。

スイングの調子をどう測ればよいか

このバッティングの基礎シリーズでは、野球のスイングは(力みではなく)速度を追求すれば良いこと、そのためにはへその前の手首を返しやすいポイントで打たなければならないことを説明してきました。では、実際に練習する中でそれをどう測ればいいか。自分が良いスイングが出来てるのかどうか。スイングスピードや打球速度を図る機械があればそれで測るのも1つですが、僕は打球の飛距離で確認することを推奨します。自分が良いスイングができているかを飛距離で確認する。問題は、どれだけ良いスイングをしていてもタイミングを合わせるのが下手であれば、打球は飛ばないので、スイングの問題なのかタイミングの問題なのか分かりにくいことです。これの解決策はロングティーです。普通のティーバッティングは投げる人の技術が要求されてしまうので、置きティーがベストです。力んでスイングしても打球が飛ばないこともロングティーで確認しましょう。

タイミングを取るのが下手なのか

ロングティーで良い打球が飛んでいくのに、実践形式では上手く飛ばせない。その場合、タイミングを合わせることが出来ていないと分析できます。試合で結果が出ないと、すぐにスイングの軌道やフォームを修正したくなるのが人間の性です。しかし、実際にはスイング自体は問題がないかもしれない。こうした修正点のリサーチにもロングティーは重要です。逆に、三振を減らすためにタイミングを合わせることばかり考えていると、試合では結果が出ているようであっても、実際にはスイングがどんどん小さくなっているということもありえます。試合でもセンターオーバーを意識するような打者ではない場合も、力みのない大きなスイングをするためには、練習で定期的なロングティーが重要です。

なぜセンター方向に打つのがいいことなのか

最後のものさしは「スイング軌道」のものさしです。これはダウンやアッパースイングの話ではなく、ドアスイングかインサイドアウトかという論点です。ドアスイングや極端なインサイドアウトのスイングでは、ど真ん中の球をセンターに弾きかえすことができません。逆にいえば、それができるようになれば他のコースはその微修正で対応できるようになります。

続いて、どうしてもドアスイングになってしまうという方のために、その定義と改善策を説明していきます。

ドアスイングとは

以下、数名の論者の話を取り上げ整理します。

結論としては、ドアスイングとは、バットの振り出しのタイミングで手に力が入ってヘッドがすぐに出てきてしまうこと(※体の正面でヘッドが返ることは全く問題ない)及び、ヘッドが返るのが遅く(もしくは捕手側の肩が投手側に突っ込み)フォロースルー時に力が入ってしまう(ヘッドが返るのが遅すぎる)ことの2つを指すようです。つまり後ろドア(捕手側)と前ドア(投手側)があります

和田一浩市の考え

和田一浩直伝!ドアスイングの治し方
  • 定義はアウトサイドインの軌道で出てくるスイング。
  • 最初にアウトに出てくるのはグリップを握る手が固く、スイングの始動と同時にバットのヘッドが出てきていまうことによって起きる(トップの位置からバットがドアのように回転して出てきてしまう)(=後ろドア)。
  • 本来は、グリップから出してハンドファーストの形を作ることで、ヘッドが遅れて体に巻き付くようなスイングとなる。

少し解説します。上図のようにハンドファーストとしていますが、「実際にはヘッドのグリップとおへそが一体になって動く」とし、へその前でヘッドが返る動作を実演しています(↓)。

ハンドファーストというのはおそらく振り出しの一瞬の「意識」の話で、実際に手が一つ目の写真ほど先行しているわけではない点には注意が必要です。正直、イメージと実際の話が整理されていないので聞いている側からすると少し分かりにくい説明になっています。ハンドファーストだといって、手を先行させすぎるとバットが返らず、球の内側を擦ったようなバッティング、具体的には、追い込まれた時にインコースを流し打ちでカットするようなスイングになってしまいます。

蓬莱監督(世田谷西リトルシニア)の考え

バッティング、ドアスイングって悪いの?
  • 体の強い回転でスイングを始動すれば、手は勝手に少し遅れてくるのでドアスイングにならない(=後ろドアの話)。
  • 右肩が早くでてきてしまうことでドアスイングっぽくなる(前ドア)。
  • 一般的にドアスイングと呼ばれるスイングをしていた選手でも大成した選手もいる。ドアスイングが悪いっていゆうのはよく分からない。メジャーリーグの選手はバットが体から離れている選手が多くドアスイングばかりにも見える。
  • ベースの上で球を捉える認識は正しい。アウトコースが打てるバッターの方が怖い。アウトコースが苦手だとどんどんベースに近づくので窮屈な前で捉える大根切り的なスイングになるので注意。

蓬莱監督はドアスイングの定義をすごく広く解釈しています。振り出しの瞬間だけでなく、降り出したあと、早めにヘッドが返ることもドアスイングというならそれはなんら問題ではない、ということでしょう。それはその通りだと思います。

ミノルマン(元大阪桐蔭主将)の考え

【悩み解決】ドアスイングの直し方教えます!!
  • 力の入れどころが間違っているためにおこる。振り終わった後に巻き込むようなフォロースルーになっている人が多い(前ドア)(背中側のベンチにバットを投げるようなジェスチャー)。
  • 改善方法としてはフォロースルーを腕を伸ばしきった状態で動きを止めるようにすること。類似の練習としては、打球方向にバットを投げるように振る。

フォロースルーを止めるのはスローイングの腕を止めるのと原理は全く同じで、すごく合理的です。(↓スローイングの関連記事です)

【野球】(イップス論③)実践的・技術的な克服方法(正しいスナップスローとは)
実践的・技術的なイップスの克服方法は、本当に正しいスナップスローを習得することです。多くの内野手は、投げた後、腕を回し切らずに送球方向に手を向けたままにしていますが、あれにどういう意味があるのかきちんと説明できる人は少ないでしょう。

解説すると、一番スイングが速くなるポイントが前過ぎるのを矯正して、体の横あたりのポイントまで手前に戻すためには、その先で動きを止めるようにする。なぜなら、そうすると最速ポイントを手前にしないと手を止めるための減速スペースが作れない。結果、自然と力が入るポイントを手前に修正できるという原理です。逆にいうと、そこで止まるかどうかでドアスイング(前ドア)になっているかどうかのチェックかできます。ミノルマンによると、習得した後も手を伸ばし続ける必要はなくあくまで矯正用スイングとしていますが、元カープ・阪神の新井選手のように明らかに意識付けしたスイングを行っている選手もいます。

ここで腕を止める

重要なのは、これや類似の練習である前にバットを投げることは、インサイドアウトにするためだけの練習ではないということです。前過ぎるポイントを手前に持ってくるのがメインです。なお、力を抜いてバットを振り出し、正しいポイントでヘッドを返すことさえできれば、前ドアも後ろドアもでません。

以上で、4大原則の説明は終了です。これらを理解・マスターした後は、バッティングについてはオリジナルなものを各自完成させていけば良いのではと思います。

これ以外に、これだけは絶対にマスターせなアカンというのがあればコメント欄でぜひご教示お願いします。

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